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イギリスの国歌「God Save the King」の意味は?歌詞と日本語訳をあわせて紹介

Mini bespoke(ミニ・ビスポーク)管理人

イギリスの国歌を知っていますか?”God Save the King”は、1745年の初演から300年近くイギリスの国歌として歌われてきました。

2022年のエリザベス2世女王の崩御まで、”God Save the Queen”として70年近く歌われましたが、2023年現在では”the King”として歌われています。

本記事ではイギリス国歌”God Save the King”の成立の背景から、英文歌詞・日本語訳まで分かりやすく解説しています。

イギリスの国歌”God Save the King”とは?

イギリスの国歌「God Save the King(国王陛下万歳)」とは、1745年に初披露されたイギリスの国歌であり、多くの公の場で歌われます。

400年以上の歴史を誇るイギリス王室の王様もしくは女王様を賛美する歌として、幅広く歌われます。

また、”the King”の部分は当時の君主によって”the Queen”に置き換えられます。2022年にエリザベス2世が逝去するまでは”God Save the Queen”でした。その後チャールズ3世の即位後、”God Save the King”へと変更されました。

イギリスの国歌”God Save the King”の歌詞と意味・日本語訳

“God Save the King”は、正式には第1節〜第6節まで歌詞が存在しますが、ほとんどの場合、第1節もしくは第1節・第3節が歌われます。

本見出しでは第1節〜第3節までの原文歌詞と、その日本語訳を紹介します。

第1節(1番)

God save our gracious King,
Long live our noble King,
God save the King!
Send him victorious,
Happy and glorious,
Long to reign over us,
God save the King!

classfm.com
日本語訳

神よ、我らの慈悲深き国王を守りたまえ
高貴な国王よ、永久に不滅であれ
神よ、国王を守りたまえ
君主に勝利を、
幸福、そして栄光を給え!
長きにわたり我らを治め給え
神よ、国王を守りたまえ!

イギリス国歌の第1節は神へ国王(女王)の治世への手助けを願い、偉大な王様が自分たちを守ってくれますように、といった内容の歌詞です。

力強いイントロから始まるこの国家は、いつでもイギリス国民を奮い立たせます。

2番

O Lord our God arise,
Scatter our enemies,
And make them fall!
Confound their politics,
Frustrate their knavish tricks,
On Thee our hopes we fix,
God save us all!

classfm.com
日本語訳

おお君主よ、そして神よ、立ち上がり給え
我らの敵を蹴散らし
そして、打ち砕き給え!
敵が策を惑わそうが
卑劣な欺きで騙そうが
我らの望みは汝のもとに
神よ、我らを救い給え!

イギリス国歌の第2節は公の場で歌われることは、多くはありません。第2節は、戦争の際の軍歌のような意味を持つためとも言われています。

“Enemies”(敵)といった表現や、”knavish(卑劣な)”という古く、あまり良くない表現がありますが、猛々しい勇猛果敢な歌詞といえます。

3番

Thy choicest gifts in store,
On him be pleased to pour,
Long may he reign!
May he defend our laws,
And ever give us cause,
To sing with heart and voice,
God save the King!

classfm.com
日本語訳

汝が選ばれた贈物の
君主に歓びが注がれることを
治世が長きにわたり続きますように!
我らの法を君主が守り給い、
絶えず理由を与え
心と声のこもった声を
ああ神よ、国王を守り給え!

イギリス国歌では、公の場では第1節と第3節が歌われます。

内容としては第1節に近しい、国王賛歌の曲となっています。

オリジナル版:1745年 German’s Magazine記載

God save great George our king,
Long live our noble king,
God save the king.
Send him victorious,
Happy and glorious,
Long to reign over us,
God save the king.

Wikipedia
日本語訳

神よ、我らの国王ジョージ(2世)を守り給え
我らの高貴な王よ、永久に生き給え
君主に勝利を、
幸福、そして栄光を給え!
長きにわたり我らを治め給え
神よ、国王を守りたまえ!

イギリス国歌「God Save the King」は1745年に初めて披露されたと言われています。

初演バージョンの国歌は、”the King”の部分が当時の国王ジョージ2世に変更されています。当時の国王は、自分にこの壮大な歌が送られてどのような感情を抱いたのでしょうか。

管理人・M
管理人・M

日本語訳は、私自身が翻訳しております。誤りなどありましたら、お問い合わせフォームまで連絡ください。また、引用の際は当サイトのリンクを掲載いただけると励みになります♪

イギリスの国歌は変更された?”Queen”から”King”へ

the Queen Elizabeth II

イギリスの国歌の歌詞は、2022年9月・エリザベス2世女王の逝去より変更されました。(参考:NHKニュース

具体的な変更点としては、下記のとおりです。

変更前変更後
the Queen
she
her
the King
he
him

女王が国王に変わり、それに伴って”she”(彼女)が変更されています。

70年以上歌われてきた国歌が変更という歌詞は、なんとも衝撃でしょう。また、しばらくは新しい歌詞に慣れるのに時間がかかるかもしれませんね。

イギリス国歌”God Save the King”の歴史

長きにわたりイギリス国歌として歌われてきた”God Save the King”ですが、どのような歴史があるのでしょうか。

イギリス国歌の歴史について、それぞれ紹介していきます。(参考:National Anthem | The Royal Family

作者は不明だが最初の曲は1744年に作曲された説がある

実はイギリス国歌”God Save the King”の作者は不明と言われています。17世紀ごろに作成され、18世紀には演奏されていたようですが、作者は分かっていません。

管理人・M
管理人・M

作詞・作曲ともに”Anonymous”となっており、残された資料はないようです。謎に包まれていますね。

初演は1745年といわれている

かなり多くの謎を残している”God Save the King”ですが、初演自体はジョージ2世の治世である1745年であると言われています。

そして19世紀にかかる頃より、国歌として多くの場において演奏・披露されるようになったと言われています。

必聴!イギリスの国歌を歌った歌手たち

イギリス国歌である”God Save the King”は、多くの著名なイギリス人アーティストによって歌われました。その多くがスポーツ大会の始まりであったり、アーティストのコンサートで歌われたりしたものでした。

その中でも著名な2組のイギリス出身アーティストを紹介します。

  • Queen(クイーン)
  • Oasis(オアシス)

それぞれ詳しく解説していきます。

Queen(クイーン)

日本でも色褪せない人気を誇り、映画「ボヘミアンラプソディ」が大ヒットした”Queen(クイーン)”の”God Save the Queen”は有名です。

Queenらしくロックアレンジを施した”God Save the King”は、壮大なイメージの原曲とは異なり、エレキギターが何ともかっこいい一曲に仕上がっています。

ライブシーンの多くで披露されました。

Oasis(オアシス)

イギリス出身の兄弟デュオ・Oasis(オアシス)もイギリス国歌をコンサートシーンで披露したと言われています。

しかし、音源を見つけることができませんでしたので、ご存知の方は教えていただけると幸いです。

イギリスの国歌”God Save the King”の豆知識・トリビア

この見出しではイギリス国歌”God Save the King”にまつわる豆知識・トリビアを紹介します。

知っておいて損ではない情報ですので、ぜひ読んでみてください。

実は”God Save the King”はイギリスの国歌ではない

実は”God Save the King”は、正式にはイギリス国歌ではないことを知っていましたか?

正式には、ということは「法律上定められていない」ということになります。例えば日本の「君が代」は、1999年に「国旗及び国歌に関する法律」にて正式な国歌となりました。

その反面、イギリスでは”God Save the King”は、法律上イギリスの国歌として制定はされていません。400年近くの歴史がありながら、意外ですよね。

管理人・M
管理人・M

もっとも、法律で定められていないからといっても、”God Save the King”はイギリス国民に刻まれた国歌であることは間違いありません。

“God Save the King”を国歌としている国はニュージーランド

かつてイギリス連邦の国々では、”God Save the King”を国歌と定めていました。しかし、現在では国歌の1つとして定めているのはニュージーランドのみです。

英国王室との関わりが深いカナダやオーストラリアでは、王室歌として”God Save the King”が定められています。

イギリス連邦の歴史や、ユニオンジャックについて詳しく知りたい方は「イギリスの国旗の意味を分かりやすく解説!」の記事をチェックしてみてください。

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イギリスには”God Save the King”以外の国歌が2つある

イギリス国歌として広く歌われているのは”God Save the King”ですが、実は似たような立ち位置の国歌が2つあります。それは下記の2つの歌です。

  • Jerusalem(エルサレム)
  • Land of Hope and Glory(希望と栄光の国)

それぞれの歌について簡単に解説します。

Jerusalem(エルサレム)

Jerusalem(エルサレム)は、ラグビーなどの試合でよく聞くイギリスの国歌的な立ち位置の曲です。

愛国歌とも言われ、作曲は威風堂々などで知られるエドワード・エルガーです。もともとはウィリアム・ブレイクというイギリスの詩人が書いた詩に曲をつけたもので、広く普及したのは第一次世界大戦のときだと言われています。

Land of Hope and Glory(希望と栄光の国)

Land of Hope and Glory(希望と栄光の国)も、Jerusalem(エルサレム)と同様にエドワード・エルガー作曲の愛国歌です。

旋律を聴くと納得するかと思いますが、あの名曲「威風堂々」のメロディーに歌詞をつけたものです。高揚するような旋律や歌詞で多くのイギリス国民に愛され、、かつては「これが国歌のほうがよくない?」と論争を巻き起こしたこともある人気っぷりです。

イギリスの国歌を知ろう!

イギリスの国歌を知ろう

2022年FIFAワールドカップ、2023年ラグビーワールドカップなど、多くのスポーツの場やオフィシャルな場で歌われる”God Save the King”。

国歌を知ることは、その国を知ることの第一歩となります。また、国歌の歴史や歌詞の背景を知っていることで、国民性なども分かり、その国の人とのコミュニケーションが楽しくなりますよ。

本サイトはイギリス雑貨の通販サイト・Mini bespokeによって運営されています。オンラインストアではイギリスを堪能できる魅力的な雑貨を幅広く揃えています。

ぜひショップの方もチェックしてみてくださいね。

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みー
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